いわゆる1インチのセンサーを搭載した高級コンデジが市場にでてから大分時間がたちますが、今回は私がキヤノンのG9XMarkⅡを選んだ理由とその使用感についてレビューしたいと思います。
目次
Canon G9X MarkⅡを選んだ理由
Canon G9X MarkⅡの簡単なスペック
- センサーは1.0型で画素数は約2010万画素
- レンズの画角はフルサイズ換算で28㎜~84㎜
- 解放F値はF2.0~F4.9
- 最短撮影距離はワイド端で5㎝、テレ端で35㎜
- 液晶はタッチパネル式だが固定
- 重量はバッテリー込みで206g。
- 大きさは幅98㎜、高さ57.9㎜、奥行き(厚み)31.3㎜
Canon G9X MarkⅡを選んだ理由 !
さて私がこの高級コンデジを選んだ理由ですが、その最大の理由が現在発売されている高級コンデジの中でも最も軽い事!
私は本気撮影では主にNikon D750というフルサイズカメラを使用しているために、高級コンデジに求めるものはあくまで携帯性。
このカメラはキヤノンの高級コンデジの中でも最も低価格で販売されているという事もあり、同じキヤノンから発売されている G7X MarkⅡ(今はマークⅢ)と比べればスペック面では当然劣ります。液晶は動かないし、画角は狭い、さらに開放F値も F2.0~F4.9 と暗いです。
同様にソニーから発売されているRX100シリーズと比べても、初代RX100を除いて、やはりスペック面では劣っています。
しかし、私が求めるものはあくまで携帯性。なのでスペックで劣るものの重さがたった206gのこのカメラを選びました。
206gという軽さも大事ですが、それに加えて大事だったのが薄さ。このカメラはとにかく薄いためズボンのポケットやシャツの胸ポケットにしまう事が出来ます。
他の高級コンデジとも重さ比較(バッテリー込みの重さ)
- Sony RX100:240g、奥行き35.9㎜
- Sony RX100Ⅲ:290g、奥行き41㎜
- Sony RX100Ⅶ:305g、奥行き42.8㎜
- Canon G7 X Mark III :304g、奥行き41.4㎜
- Canon G5 X Mark Ⅱ:340g、奥行き46㎜
高級コンデジを探している人にとっては、だいたい上記の機種が選択の候補に挙がってくると思いますが、Canon G9X MarkⅡの重さ206g、奥行き31.3㎜がこれらの機種と比べていかに小さいかが良く分かりますね。他の機種はスペック面で充実していますが、その分重く大きくなっています。

Canon G9X MarkⅡ 使用レビュー
操作性
一眼レフのように多くの操作ボタンはついていませんが、タッチパネルを搭載しているので感覚的な操作が可能になります。操作ダイヤルはレンズの周りについているものが一つ。例えばAモードで撮影した場合はこれでF値が操作できます。Autoで撮影する場合は、ズーム操作が割り当てられています。
携帯性
携帯性に関しては文句なしです。1インチという大き目のセンサーを搭載した高級コンデジがこのサイズですからね。ポケットにしまっておいても良いですし、食事中などテーブルの上に出しておいても威圧感がありません。これは大きなポイントだと思います。
ボケ具合と最短撮影距離
まず広角側の28㎜では最大5㎝まで被写体に寄る事ができ、さらに開放F値も2.0となっているため、比較的背景をボカすことが可能です。

上の人形は全長約6㎝と小さいですが、広角端の28㎜(フルサイズ換算)で撮影するとここまで大きく被写体を写すことが出来ます。なのでマクロレンズみたいな使い方が可能になります。さらに被写体に寄る事ができるために、広角端でも上の写真のようなボケ具合を得ることが出来ます。ここはスマートフォンと大きな差が出るところですね。

上の画像は望遠端である84㎜で撮影したものです。望遠端にすると35㎝までしか寄る事ができない(それ以上近づくとピントが合わない)ので、被写体を大きく写すことが出来ません。この画像は開放のF4.9 で撮影していますが、ボケ具合は上の画像のようになっています。 Canon G7 X Mark III などの上位機種は望遠端でもF値が2.8と低くなっていますので、これよりもさらに大きなボケを得ることが可能となります。

写りは?作例
肝心の写りに関してですが、フルサイズの一眼レフと比べてしまうとそこそこの写りですが、日常のスナップや記録としては十分な写りをしてくれると思います。JPEGだけでなくRAWで撮影する事もできるため、気に入った写真が撮れれば、後でライトルームで編集する事も可能です。ちなみに高感度に関しては、カメラの画像処理エンジンが中々優秀なので、ノイズの目立たない写真を撮る事が出来ます。

上の写真は自然風景を撮影した写真になります。正直なところ風景写真でコンデジを使う事はあまりありませんが、光が十分にある時間帯であれば、結構良い写りを見せてくれるというが感想です。

このカメラが活躍するのは上の写真のように旅行での気軽なスナップになると思います。背景を少しだけぼかすことができるので、やはりスマホとは違う写真を撮る事ができますね。

上の写真は手持ちで夜景撮影をしたものです。手ブレ補正も結構効いているので夜景での手持ち撮影もそこそこいけます。高感度耐性は画像処理エンジンがそこそこ優秀なのでノイズはうまく処理されているなあといった印象です。しかし当然ですがその代償としてディテールは失われてしまいますね・・。上の画像はライトルームでRAW現像したものになります。ノイズを軽減した代償として、全体的にのっぺりとした仕上がりになってしまうのは仕方がないですね・・。

こちらは三脚に設置してISO100で撮影してみました。ISOを160に設定して撮影しました。ISOを上げなければしっかりとした写真を撮る事が出来ますね。
使っていて気になるところは?
このカメラは起動時間も早いですし、使っていてストレスになる事はあまりありません。私が唯一気になるところは、AUTOモードで人物を撮影しようとすると、時々オートフォーカスが追従モード(青枠のサーボAF)になる事です。シャッターボタンを半押ししている間、オートフォーカスが前後に行ったり来たりして被写体にピントを合わせ続けます。動いている人物を撮影するのであれば、これで良いのかもしれませんが、止まっている人物を撮影していてもサーボAFが作動します。
そして正直に言ってこのサーボAFの精度はあまり良くありません。ピントを合わせ続けると言っても、いったんピントを外してから合わせ、また外してから合わせるといった動作をすごく短い時間で何度も繰り返しています。なのでシャッターボタンを押した瞬間にピントが外れていることが良くあります。
サーボAFが作動するかどうかの基準が分かりませんが、ただの記念写真(人物が動いていなくても)でもかなりの確率でサーボAFが作動します。これが非常に使いづらいです。
せっかく気楽にAUTOモードで撮影したいのに、サーボAFが勝手に作動して本当に邪魔です。なので絞り優先モードなどで一点AFを選んで撮影するはめになります・・。
おわりに
私の場合はあくまで一眼レフが必要ないような場面で使うのが目的だったので、軽さと薄さが一番という事が選択理由でした。それに加えて値段も他機種と比べるとそこまで高くないので、コストパフォーマンスも高いと思います。。
購入から2年半が過ぎましたが、このカメラはいつも持参しており、買って正解だったと思います。
高級コンデジに何よりも軽さと薄さを求めるのであれば、現時点では Canon G9X MarkⅡ 一択だと思います。機能面を重視するのであれば Canon G7 X Mark III や Sony RX100Ⅴあたりも候補となりそうですね!