皆さんこんにちだ。
ニコンから高画質、軽快フルサイズと謳ったフルサイズミラーレスカメラのZ5が発表されました。
ニコン初のフルサイズミラーレスカメラであるZ7が発売されたのが2018年の8月23日。約2年たってからの発売となりますが、今回はZ5、Z6、Z7 を比較してみたいと思います。
目次
まずは気になるスペック比較?
センサーはZ6とは別物!ボディ内手振れ補正を採用!
Z5 | Z6 | Z7 | |
マウント | Zマウント | Zマウント | Zマウント |
センサー | 35.9×23.9mmサイズCMOSセンサー | 35.9×23.9mmサイズCMOSセンサー | 35.9×23.9mmサイズCMOSセンサー |
有効画素数 | 2432万画素 | 2450万画素 | 4575万画素 |
画像処理エンジン | EXPEED6 | EXPEED 6 | EXPEED6 |
記録媒体 | SDメモリーカード×2枚 | XQDカード1枚 | XQDカード1枚 |
ボディ内手振れ補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 |
ではさっそく違いを見ていきましょう。最新機種のZ5はZ6と同様、約2400万画素のセンサーを搭載していますが、Z6よりもわずかに有効画素数が少ないですね。なのでこれらのセンサーは別物だとみることができるでしょう。Z6では裏面照射型CMOSセンサーが採用されていますが、どうやらZ5では表面照射型CMOSセンサーを採用することでコストを抑えたようです。
裏面照射型の方が光を効率よく取り込むことができ感度の面でも有利とされていますが、実際の所この差が写りにどのぐらい影響を及ぼすのかは、発売されてしばらくたってからでないと分かりませんね。
とは言え、私が使用しているD750も裏面照射型ではありませんが、だからと言って高感度に弱いという事もなく、写りの評判が悪かったという事もありませんので、Z5の写りの低下を心配する必要はそんなにないと思います。
Z6、Z7と大きく変わった点が記録媒体としてSDメモリーカードのダブルスロットを採用した点ですね。XQDカードからSDカードに戻したことは、時代に逆行したようにも感じられますが、Z6、Z7発売時にあがっていたシングルスロットに対する批判に対処したと見ることもできますね。SDカードはXQDカードと比べて非常に安価ですし、私個人としてはこれは嬉しいニュースです。

それからZ6よりも安価なモデルであるZ5にもきちんとボディ内手振れ補正機能を搭載してくれた事も嬉しいです。
Z5は軽快を売りにしているが、大きく重くなっている。電池寿命は向上
Z5 | Z6 | Z7 | |
寸法 | 約134×100.5×69.5mm | 約134×100.5×67.5mm | 約134×100.5×67.5mm |
質量 | 約675g、約590g(本体のみ) | 約675g、約585g(本体のみ | 約675g、約585g(本体のみ) |
画像モニター | チルト式3.2型TFT液晶モニター(タッチパネル)、約104万ドット | チルト式3.2型TFT液晶モニター(タッチパネル)、約210万ドット | チルト式3.2型TFT液晶モニター(タッチパネル)、約210万ドット |
ファインダー |
電子ビューファインダー 約369万ドット |
電子ビューファインダー 約369万ドット |
電子ビューファインダー 約369万ドット |
ファインダー視野律 | 約100% | 約100% | 約100% |
ファインダー倍率 | 0.8倍 | 0.8倍 | 0.8倍 |
電池寿命 | 撮影可能コマ数:約390コマ(ファインダーのみ使用時)/約470コマ(画像モニターのみ使用時) 動画撮影可能時間:約115分(ファインダーのみ使用時)/約120分(画像モニターのみ使用時) |
ファインダーのみ使用時:約310コマ、画像モニターのみ使用時:約380コマ 動画撮影可能時間:約85分 |
ファインダーのみ使用時:約330コマ、画像モニターのみ使用時:約400コマ(CIPA規格準拠) 動画撮影可能時間:約85分 |
Z5は20-50㎜f4-6.3というレンズとセットで販売することにより軽快さを謡っていますが、ボディはZ6、Z7と比べてわずかに大きく重くなっています。実際には厚みが2㎜程増し、重さが本体のみで5gほど増えています。これにはダブルスロットを採用した事が関係しているかもしれませんね。
また背面液晶のモニターの画素数を104万ドットと減らすことでコストをおさえているようですね。まあZ6と差をつける必要がありますから、この辺りはしょうがないでしょう。それでも電子ビューファインダーは見た目がすごくきれいだと評判なZ6、Z7と同様の性能をキープしています。

嬉しい変化としては電池寿命が延びた点ですね。Z6、Z7と比べて撮影枚数が少し増えています。実際の所写真を撮影していて、これが体感できるほどの違いなのかは分かりませんが、動画撮影で20分の差は場合によっては結構大きいかもしれません。
Z5は連射は苦手!シャッタースピードは1/8000から
Z5 | Z6 | Z7 | |
シャッター | 電子制御上下走行式フォーカルプレーンシャッター、電子先幕シャッター、電子シャッター | 電子制御上下走行式フォーカルプレーンシャッター、電子先幕シャッター、電子シャッター | 電子制御上下走行式フォーカルプレーンシャッター、電子先幕シャッター、電子シャッター |
シャッタースピード | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 |
連射 | ・低速連続撮影:約1~4コマ/秒 ・高速連続撮影:約4.5コマ/秒 |
・低速連続撮影:約1~5コマ/秒 ・高速連続撮影:約5.5コマ/秒 ・高速連続撮影(拡張):約12コマ/秒(14ビットRAW設定時:約9コマ/秒) |
・低速連続撮影:約1~5コマ/秒 ・高速連続撮影:約5.5コマ/秒(14ビットRAW設定時:約5コマ/秒) ・高速連続撮影(拡張):約9コマ/秒(14ビットRAW設定時:約8コマ/秒) |
では次はシャッター関係を見ていきましょう。Z5は下のクラスではありながら上位機種と同様の1/8000秒を実現しており、これは明るいレンズを好む人にとっては特に嬉しいですね。ただ先に発売されたニコンD780 ではシャッタースピードが900秒までと進化していたので、それが今回搭載されてこなかったのは少し残念。まあこの機能はZ6とZ7の後継機には搭載されるでしょう。
上位機種に対して大きく性能が削られたのが連射性能ですね。Z6では拡張機能で秒間約12コマの撮影が可能でしたが、4.5コマまでとなっています。まあ一言で言ってしまえば連射は苦手という事でしょう。
暗い所のオートフォーカス性能は落ちる
Z5 | Z6 | Z7 | |
オートフォーカス方式 | ハイブリッドAF(位相差AF/コントラストAF) | ハイブリッドAF(位相差AF/コントラストAF) | ハイブリッドAF(位相差AF/コントラストAF) |
検出範囲 | -3~19EV | -3.5*~ 19EV(ローライトAF 時:-6*~ 19EV) | -2*~ 19EV(ローライトAF 時:-4 ~ 19EV) |
フォーカスポイント | 273点 | 273点 | 493点 |
ISO感度 | ISO 100~51200 | ISO 100~51200 | ISO 64~25600 |
さて、気になるZ5のオートフォーカスですが、フォーカスポイントはZ7の493ポイントには及ばないものの、Z6と同様の273ポイントと十分な数を備えています。さらに人物やペットの撮影に便利な瞳AF機能も備えていますね。

Z6と比べて劣っている点がオートフォーカスの検出範囲です。Z5は-3からとなっていますので、Z6ローライトAF時の-6と比べると大きく劣ります。Z6は肉眼で見分けがつかないような暗い場所でもピントを合わせてくれますが、Z5はそこまでではないようですね。夜景を頻繁に撮影する人はこの点は良く考えたほうが良いかもしれません。
4K動画に対応。上位機種のようなスロー録画には対応せず
Z5 | Z6 | Z7 | |
動画フレームレート |
・3840×2160(4K UHD):30p/25p/24p
|
・3840×2160(4K UHD):30p/25p/24p
50p/30p/25p/24p
30p(4倍)/25p(4倍)/24p(5倍) |
・3840×2160(4K UHD):30p/25p/24p
50p/30p/25p/24p
30p(4倍)/25p(4倍)/24p(5倍) |
ファイル形式 | MOV,MP4 | MOV、MP4 | MOV、MP4 |
録音装置 | 内蔵ステレオマイク、外部マイク使用可能、マイク感度設定可能、アッテネーター機能 | 内蔵ステレオマイク、外部マイク使用可能、マイク感度設定可能、アッテネーター機能 | 内蔵ステレオマイク、外部マイク使用可能、マイク感度設定可能、アッテネーター機能 |
最長記録時間 | 29分59秒 | 29分59秒 | 29分59秒 |
Z5の録画機能ですが、4K動画にも対応しておりZ6やZ7と比べてもそこまで劣っているようには思えません。上位機種がスロー撮影に対応しているのに対して、Z5では特に記載がないことから、対応していないとみるべきでしょう。
気になる最長録画時間は上位機種と同様に約30分と制限が設けられています。ソニーからは最長録画時間に制限がかかっていないミラーレスカメラも登場していますから、この辺は制限を外してほしい所なのですが、Zシリーズはそこまで動画撮影に力を入れたモデルでもない感じですね。あくまで写真撮影という感じでしょう。
Z5の外観チェック!

では外観を見ていきましょう。Z5は上位機種と比べてボディ幅が2㎜厚くなっていますが、正面からの見た目は上位機種とほとんど変わりませんね。上位機種では写真で右側にあったメニューダイヤルが左側に写っています。ちなみに全面はマグネシウム素材が使われており、防塵防滴のシーリングもばっちりです!

Z5における外観上の最も大きな変化は上面に配置されたディスプレイがなくなってしまったことですね。その代わりディスプレイがあった位置にメニューダイヤルが配置されています。シャッターボタン周辺のボタン配置は上位機種とまったく同じです。

では背面を見ていきましょう!実は背面のボタン配置は上位機種とまったく同じ配置になります。これまで下位機種にはオートフォーカスのポイントを動かすジョグボタンが外される事が多かったのですが、今回は嬉しいことにそれが残されていますね。

側面にはSDカードのダブルスロットが搭載されましたが、このように2枚重ねるように配置したことでボディの厚みが少し増したのかもしれないですね。
Z5は誰におすすめか?
さて、フルサイズミラーレスのベーシックモデルとして発売されたZ5ですが、Z6よりも少しだけ機能を落として低価格化を実現させましたね。
しかし省かれた機能をざっとまとめてみるとほんの少ししかありません。
- 液晶の解像度が104万画素に!
- オートフォーカスの検出範囲が-3から
- 連射が最大で4.5コマ
- ボディ上部液晶がなくなった。
- センサーが裏面照射型ではなくなった。
一方で、上位機種から2年後の発売ということもあり、ダブルスロットを搭載するなど進化した点もありますね。
- ダブルスロットを搭載。
- 電池寿命アップ
個人的には連射と夜景撮影をたくさんする予定がないのであれば、非常に買いなモデルだと思います。予算は押さえたフルサイズミラーレスを購入したい人には非常に魅力的な機種となるのではないでしょうか!!
ただ発売から2年近くが経過したZ6は値段が下がっており、新発売のZ5との価格差は3から4万円程度しかありません。
この辺をどう見るかですね。個人的にはZ5は発売から少し時間がたって、もう少し値段が下がってきた頃が買い時ではないかと思います。
夜景撮影を多くするならZ6を!
私は良く夜景撮影を良くしますが、暗いところだとピントを合わせるのが難しいです。液晶画面でピントを合わせたいところを拡大するのですが、モニターの画素数が低いZ5だと拡大すると画質が荒くなってしまい、ピントが合っているのか確認するのが困難になると予想します。
Z6ならローライト撮影で-6までピントを合わせてくれますから(かなり暗いところでもピントが合う。)、夜景撮影を多くするのであればZ6にした方が良いと思います。
新キットレンズNIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3は魅力的!

ついでにZ5と一緒に発売された新キットレンズNIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3も少しだけ見てみましょう。
開放F値はF4~F6.3と暗く、焦点距離も24㎜~50㎜と短いですが、その分195gとものすごく軽いレンズに仕上がっていますね。
個人的には24から50㎜の焦点距離でこの軽さだったらお散歩な旅行などのスナップ写真で大活躍する可能性があると思います。
もちろんそれは絞り開放から写りがシャープであるというのが条件になりますが、Z50のキットレンズであるNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3は開放から写りが良いとの評判でしたので、期待できそうです。
このレンズは現時点単体だと5万8300円となっていますが、Z5のレンズキットとして買うと4万円弱値段を追加するだけで購入できるようです。
こちらもしばらく時間が経ってからもう少し値段が下がる事を期待したいですね。値段が下がればお散歩用にZ6、Z7のユーザーにも興味深い選択になると思います!!
おわりに
今回はZ5の発表にちなんで、上位機種との比較をしてみました。これからフルサイズミラーレスカメラの購入を考えている人には非常に魅力的な選択肢となると思います。
ただ私自身は夜景を頻繁に撮影するので、D750から買い替えるのであれば、夜景撮影時のオートフォーカスが強化されたD780やZ6を選びたいですね・・。
最近ではZ6、Z7のマイナーアップグレード機の登場も噂されていますし、そちらも楽しみですね!