こんにちは。初めてのデジタル一眼購入しようと思っても、フルサイズやAPS-Cなど様々な大きさのセンサーサイズのカメラが発売されていますので、いったいどれにしたらよいのか迷ってしまいますよね。
私も気が付けば現在APS-Cサイズ、フルサイズ、それから1インチセンサーサイズと様々なセンサーサイズのカメラを使っています。
今回はそうしたセンサーサイズの違いについての話になります!
目次
センサーとは

画像センサーとは、上の写真にあるように、昔のカメラのフィルムに相当する部分になります。イメージセンサーや撮像素子ともいわれますが、このセンサーで受けた光をいわゆる電気信号に変換するわけですね。
カメラを購入するにあたって、気になる事の一つが画質だと思いますが、その画質の良し悪しを決めるのがこのセンサーになります。
一般的には同じ技術で作られたセンサーであるならば、センサーサイズが大きければ大きいほど画質が良いとされています。それはセンサーが大きければ大きい方が沢山の光を集められるからです。
では大きいセンサーサイズの方がすべてにおいて勝っているのか、というと実はそうでもありません。なので今回はそれぞれのセンサーによる違い、それからメリットとデメリットを見ていきたいと思います!!
センサーの種類

現在発売されているデジタル一眼カメラのセンサーサイズには様々なものがありますが、主流となっているのは上の図にある、フルサイズ(Full Frame)、APS-C、マイクロフォーサーズ(4/3)の3つとなっています。少し前まではニコンからも1インチサイズのレンズ交換式カメラ(Nikon1シリーズ)も発売されていましたが、1インチサイズのカメラはは現在では高級コンデジが主流となり、Nikon1シリーズは2018年に販売終了となっていますね。
これ以外にもフルサイズよりも大きなセンサーとして中版サイズ(Medium Format53.7×40.2㎜)やAPS-Hサイズ(27.9×18.6㎜)のセンサーもありますが、それらのセンサーは主流ではありません。また1インチ以下のセンサーは主にコンパクトデジタルカメラやスマートフォンなどで使用されていますね。

上の画像はそれぞれのセンサーサイズの大きさを比較した画像がありますが、こうして重ねてみるとセンサーサイズによってずいぶん面積が違うのがはっきり分かりますね。
フルサイズとAPS-Cのセンサーの大きさを比べると、フルサイズのセンサーの面積がAPS-Cの約2倍となっていますが、フルサイズはその分多くの光を集めることができるようになっているわけです。
中版サイズのセンサーはフルサイズのセンサーのさらに2倍以上の面積となっています。これで写真をとったら一体どんな絵を見せてくれるのか、非常に興味をそそられる所ではありますが、カメラボディだけで100万円ぐらいしますので、そう簡単に手が出せる代物ではありませんね・・。
さてセンサーサイズにはいろいろな違いがある事を見ましたが、今度はセンサーサイズによる主な違いを見ていきましょう。
センサーサイズによる違い
画角
同じ焦点距離のレンズを使用した場合、センサーサイズが小さいほうが、写る画角が狭くなります。上の写真は左がフルサイズカメラ、右がAPS-Cサイズのカメラで撮影した写真になります。どちらも焦点距離60㎜のレンズで撮影しましたが、APS-Cサイズのカメラの方がセンサーが小さい分、写せる範囲が狭くなるので画角が狭くなります。
APS-Cサイズのカメラで60㎜のレンズを用いて撮影した場合、その画角はフルサイズの90㎜で撮影した場合のとほぼ同じになります。なのでAPS-Cの60㎜はフルサイズ換算すると90㎜になる、という言い方をしたりします。
センサーサイズが小さいと同じ焦点距離でも写せる範囲(画角)が狭くなりますが、これは悪い事ばかりではありません。逆に言えば、センサーサイズが小さいほうが望遠に向いているという事が出来ます。
ぼけ量
今度はボケ量を見ていきましょう!センサーサイズは大きければ大きいほど背景のボケ量が大きくなります。
上の写真はどちらもだいたい同じ画角になるようにして撮影しました。左がフルサイズ(90㎜)、右がAPS-C(60㎜)で撮影した写真になります。どちらもF4で撮影しましたが、フルサイズの方が背景ボケがいくらか大きくなっています。ちょっとこの被写体だと分かりづらいかもしれませんが、2番目の蝋燭を見てみるとフルサイズの方がよりぼけているのが分かりますね。ちなみにピントは一番手前の蝋燭に合わせてあります!
2番目の蝋燭を拡大してみました。左がフルサイズ、右がAPS-Cサイズで撮影した写真になりまるが、左の蝋燭がよりぼけていますね!
ダイナミックレンジ
ダイナミックレンジとは写真の明るい部分と暗い部分の幅になりますが、センサーサイズが大きい方がこのダイナミックレンジが広くなります。つまり白とびや黒潰れが発生しにくくなります。
高感度
センサーサイズが大きければ大きいほど、光をたくさん集めることができるので、暗い場面で撮影してもノイズを抑え、かつ細部まではっきりと写すことが出来ます。逆に言うとセンサーサイズが小さいと暗い場所で撮影した場合、ノイズの量が多くなってざらざらした感じの写真になってしまいます。
上の写真は左がフルサイズ、右がAPS-Cで撮影した写真になります。どちらもISO6400で撮影しましたが、APS-Cで写した右の写真の方が背景の黒い部分のノイズの量が多くなっています。
サイズ
センサーサイズが小さいほうが、カメラのボディを小さくすることが可能となるので、小型軽量を実現することができるようになります。
フルサイズ

ソニーがα7シリーズに力を入れている事もあり、ここ最近カメラメーカーの多くが力を入れているのがフルサイズのカメラです。
センサーサイズが36×24㎜とかなり大きくなっていますので、ボケを活かした撮影や諧調豊かな写真を撮る事が期待できます。また高感度にも強く、夜景撮影などでもノイズの少ない写真を撮る事が期待できますね。
しかし一方でセンサーサイズが大きい事でボディとレンズが大きくなってしまうというデメリットもあります。また背景がボケやすい反面、パンフォーカスになりづらい(手前から奥までピントが合った状態)という面もあります。
- 画質が良い
- ダイナミックレンジが広いので白飛びや黒潰れしにくい
- 高感度にも強く、夜景でノイズの少ない写真が撮れる
- カメラやレンズが大きくて重い
- 値段が高い

画質を考えればフルサイズは非常に魅力的ですが、大きく重くなるため撮影する場面によっては扱いづらい面もあります!
APS-C

ソニーのα6000シリーズ、ニコンのD5000やD3000シリーズ、それからキヤノンのEOSKissシリーズなど多くのデジタル一眼カメラに搭載されているのがこのAPS-Cサイズのセンサーになります。まさに現在の主流ですね。さらに富士フィルムはフルサイズ一眼を作らずにAPS-Cサイズのカメラを作るのに集中しています!
センサーサイズはフルサイズの約半分の面積しかないと書くと、小さくてダメなように感じられるかもしれませんが、スマートフォンの多くに搭載されている1/2.3インチサイズのセンサーと比べるとかなり大きいです。なのでAPS-Cのセンサーは大きい部類と思っても大丈夫です。
フルサイズと比べてセンサーサイズが小さくなった事でカメラやレンズが小型軽量となり、さらに価格もフルサイズに比べて安くなっています。さすがに手持ちでの夜景撮影などでは、高感度に弱い分フルサイズと差はでますが、それを補う長所を備えていますね。APS-Cのカメラは価格や画質性能を考えると非常にバランスのとれたカメラと言う事が出来るでしょう!
- 十分な画質
- 小型軽量化
- 価格も手ごろ
- フルサイズと比べて望遠に向いている
- 高感度耐性はフルサイズと比べると劣る
- ボケ量は少ない

APS-Cサイズは価格と機能面でのバランスがとても優れているので、初めてデジタル一眼カメラを買う人におすすめのサイズです!!
マイクロフォーサーズ

マイクロフォーサーズセンサーサイズは17×13㎜となっておりAPS-Cよりもさらに小さくなっています。現在ではパナソニックやオリンパスからこのセンサーを搭載したレンズ交換式カメラが発売されていますね。マイクロフォーサーズはマウントが統一されており、パナソニックのレンズもオリンパスのレンズも使えるようになっています。これは使えるレンズの選択肢が増える事になるので魅力的ですね!
そして最大の魅力はなんといってもAPS-Cよりもさらに小型軽量されている点でしょう。さらにセンサーサイズがより小さくなった事で望遠レンズでの撮影も強みとなっています。例えば野鳥を撮影するには超望遠が必要となりますが、フルサイズ用の望遠レンズ、シグマ150-600㎜の重さは1920gもあります。一方マイクロフォーズ用の望遠レンズ、パナソニックLumix100-300㎜(フルサイズ換算200-600㎜)の重さはたった520gしかありません。
一日中野鳥や野生動物を追いかけながら撮影するのであれば、この軽さは大きな魅力となります。
また風景写真やスナップ写真で、全体にピントが合ったパンフォーカスの写真を撮りたいというのであれば、ボケ量の少ないマイクロフォーサーズのカメラでの撮影は利点となるでしょう。
一方センサーサイズがさらに小さくなっているために、大きなボケを活かした写真や、暗い場所での撮影は苦手となっていますね。
- 小型軽量で値段も手ごろ
- 望遠レンズでも小型軽量を実現しているので、野生動物撮影など長時間外出しての撮影に向いている
- ボケが少ないので、全体にピントが合った写真が撮りやすい
- パナソニックとオリンパスのレンズを両方使える
- ボケを活かした写真は苦手
- 暗い場所での手持ち撮影にはあまり向いていない。

オリンパスからはこうしたマイクロフォーサーズの機動力を十分に生かして野外でがんがん使えるようなプロモデルのカメラも発売されていますね!
おわりに
今回は主流となっているセンサーサイズの違いについてまとめてみました。こうしてみると、センサーサイズが小さなカメラでも十分に魅力がありますね。特に旅行などでは小型軽量というのは十分な魅力になると思います。
私は現在フルサイズのニコンD750 をメイン、APS-Cソニーのα6000をサブとして使っていますが、旅行に行くたびに、α6000用に超広角ズームレンズを購入して持っていくか悩んでいます・・。
用途に合わせて、それぞれのサイズのカメラようにレンズを揃えることが出来れば理想的ですが、中々そうもいっていられないのが現実です・・。
さて、センサーサイズによる違いはざっとこんな感じになりますが、今度は現在主流となるセンサーサイズによってそれぞれどんなメリットやデメリットがあるのかを見ていきましょう!