【夜景撮影】ブルーアワーでの撮影を極める③!!下見と撮影での設定の仕方編!




前回はブル・アワーでの撮影に必要な機材や三脚を使う上での注意点などについての話でしたが、今回はいよいよ撮影の準備と設定編です。

ブルーアワーの時間は季節によっても違いますが、冬場は特に短いですので、それだけ準備が大事になります。

例えば私が住んでいる場所では今日夕方のブルアワーの時間は29分間しかありません。

そしてその29分間の間に空の色がどんどん変化していきますので、できればブルーアワーが始まる前にセッティングを完了させてしまいたいところです。

撮影の前に被写体とどこから撮影するか決めておく!

言葉にしてしまうと当たり前ですが、実際の撮影に写る前に、被写体と撮影ポイント、そしてある程度構図を決めておく事が大切です。

なのでできるだけ早めに撮影現場に到着する事をお勧めしたいです。早めに到着して、どの場所から、どの焦点距離のレンズを使って、どの構図で撮影するか、候補を2つか3つに絞っておくと撮影をスムーズに進めることが出来ます。

余裕があるときは昼間に下見も!

昼間に下見に来てコンデジの広角端で撮影。コンデジの画角では全体が収まりきらなかったので超広角レンズを持参する事に!

また可能であれば、昼間に一度下見をしておくのが最も確実ですね。私は場所が近いときはコンデジを持って下見をし、大体のイメージを頭の中で作るようにしています。

少し遠い場所ならば、下見しないでぶっつけ本番で撮影し、気に入らなければもう一度撮影するというのも悪くないですね。

いざ撮影!カメラの設定について!

カメラはMモード(マニュアルモード)に設定しよう!

夜景撮影全般に言えることですが、ブルーアワーでの撮影は非常に暗い場所で撮影する事が多くなりますので、カメラの自動露出機能もそれほどあてになりません。なので撮影する時はマニュアルモードに設定しましょう!マニュアル・モードだと、シャッター速度、絞り、ISOを自分で設定する事が可能になります。

ピントの合わせ方

オートフォーカスには限界がある

暗い場所での撮影になりますのでオートフォーカスにも限界があります。ピピっとフォーカスがあった音がしても実際に撮影して見ると全然ピントが合っていないという事も良くあります。なのでオートフォーカスを使うときはライブビュー撮影に切り替えて、拡大画面でピントが合っているか確認しましょう!

体験談
ちなみに私の使っているD750ではライブビューよりもファインダー撮影の方が暗い場所でのオートフォーカスが機能します。普段はライブビューで撮影していますが、暗すぎてライブビューのオートフォーカスでピントが合わなくなると、ファインダーに切り替えてピントを合わせ、その後ライブビューに戻してピントが合っているかを拡大して確認しています。手間はかかりますがこれが今の所確実です。

マニュアルでピントを合わせる

ファインダーでもオートフォーカスでピントが合わなくなったらマニュアルでピント合わせをします。暗い位置でのマニュアルフォーカスは難しいですが、ライブビューで画面を拡大し、街灯など、少し明るい場所でピントを合わせていきます。

しかし暗い場所でライブビューを拡大すると、液晶画面の画質も荒くなり、さらに画面を明るく表示するために、大量のノイズが発生します。なのでどこにピントが合っているのかを判断するのはかなり難しくなります。

とにかく何度かテスト撮影をして粘り強くピントを合わせていくしかないですね。

本当は常にマニュアルでピント合わせをお勧めしたいんですが、そんな理由から私は上記のような手順でピント合わせをしています。

最新のカメラでは液晶の解像度も上がってきていますから、ディスプレイの改善に期待したいところですね。

画像の記録フォーマットは?RAWかJPEGか?

最近はカメラの画像処理エンジンも高性能化していますので、JPEGで撮影しても、かなり良い絵を出してくれるようになっています。JPEGの利点は何よりもそれで写真が完結するという手軽さにあります。

でも最大の欠点は後で編集する時に限界があると言う事です。

なので、出来る限りRAWで撮影する事をお勧めします。ピントが合って白飛びや黒潰れしていない写真がとれれば、ホワイトバランスなど後でいくらでも調整可能です。

ブルーアワーでの撮影は空の色が1分毎に代わるため、その都度カメラでホワイトバランスを設定することはほぼ不可能です。

RAWで撮影して、後で自分の好みに合うように現像したいところですね!

ISO感度はできるだけ低く設定!

三脚を利用する事で長時間露光が可能ですから、ISO感度はできるだけ低めに設定しましょう!私の所有するニコンD750はISO感度が100からなので100に設定しています。ISO感度が200からのカメラの場合は200に設定すると良いでしょう。

風が強すぎて、あまりシャッタースピードを長くしたくないというときは、ISO感度を一段上げると、半分のシャッタースピード時間で済みます。

F値(絞り)を8に設定した場合。ISO感度を100にするとシャッタースピードが30秒でちょうど良い露出となった。しかし風が強くてブレの恐れがあったため、ISO感度を200にし、シャッタースピードを15秒にすることでブレのリスクを軽減した。

絞りの設定は?

これはどの焦点距離のレンズを使用しているかによっても変わりますが、基本的には画質を向上させるためにも少しは絞って撮影したいところです。広角レンズで撮影する場合はf5.6からf8を。標準レンズで撮影する場合はf8を基本の設定にして良いと思います。

光芒をしっかり出したいときは?
光芒をしっかりと出したいときはレンズをf8以上に絞りましょう。f8できれいな光芒が出ていれば良いですし、それでも足りなければf11、f13と絞り込みながら光芒の出方を確認してみてください!

露光時間(シャッタースピード)は?

すでに絞りとISO感度は決まりましたから、後はシャッタースピードを適正な露出を見つけるだけです。

私はいつもシャッタースピードを変えながら複数枚撮影しておきます。例えば10秒、13秒、15秒といった感じで何枚か異なる露出で撮影しておきます。

そうすれば家に帰ってから最も気に入った露出で撮影した写真をベースに現像作業に移る事が出来ます。

露出はヒストグラムでチェック!

でもそもそもどのようにして丁度良い露出を見つけたらよいのでしょうか?そこで頼りになるのがヒストグラムです。

上の画像はなんだか暗いですが、この写真のヒストグラムを表示すると以下のようになります。

ヒストグラムの山が完全に左に寄っていますね。これが黒潰れしている状態です。ヒストグラムがこうなっていたら写真が暗すぎるという事になります。

今度はさっきよりも明るい写真となりましたが、ヒストグラムはどうなっているでしょうか?

今度はヒストグラムの山が右にも左にもくっ付いていませんね。これは白飛びも黒潰れもしていないという事になります。なので適正な露出を判断する時にはこのようにヒストグラムを見ながら判断するのが確実です。

そして3枚目は大分明るくなっていますね。ちなみに写真の赤い部分は白飛びしているという警告です。

今度はヒストグラムが右端に接していますね。こうなっていると写真の中に白飛びしている部分があると言う事です。白飛びした部分は色データがまったくないという事になりますので、その部分は後で編集することが不可能になってしまいます。

失敗談と注意点
天の川を撮影する時に、ディスプレイに表示された写真だけを見て露出を決めました。しかしそこには大きな落とし穴が・・。暗い野外では十分明るく見えたディスプレイ上の写真も家に帰って部屋の中で見てみるとどれも暗い写真ばかり・・。きちんとヒストグラムをみて確認していれば、そうなる事は防げましたね・・。ディスプレイで明るく見えても写真の明るさが十分とは限らないので注意が必要です!

 

今日のまとめ

  • 暗くなる前に構図を決めておく!
  • 時間があるときは昼間に下見を!
  • 撮影はマニュアルモードで!
  • 絞りはf5.6からf8で!
  • ISO感度は基本一番低く設定!
  • シャッター速度はヒストグラムで白飛び、黒潰れしないしないように確認しながら決める!

おわりに

今回は少し長くなりましたが、ブルーアワー撮影のカメラ設定についてまとめてみました!これで一通りブルーアワー撮影に対する準備が整いました!後は実戦あるのみです!何度も挑戦して素敵な写真を撮りましょう!