こんにちは。
広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズとレンズにはそれぞれ特徴がありますが、今回はそんな中でも望遠レンズの特徴の一つとされる圧縮効果というものについて、実際に風景写真を見ながら簡単に見ていきましょう!!
目次
二つの写真を見比べてみよう!
まずはケルン大聖堂とクレーンハウスとよばれるモダン建築物を撮影した2枚の写真を見てみましょう!


この2枚の写真はそれぞれ別な場所から撮影していますが、手前のクレーンハウス(クレーンの形をした3つの建物)の大きさがだいたい同じぐらいに大きさになるように撮影しています。
写真①はクレーンハウスの近くから焦点距離50㎜で撮影しました。一方写真②はクレーンハウスからもっと離れたところから焦点距離105㎜で撮影しています。
それぞれの写真の特徴を見てみよう!
標準レンズで撮影した場合

では標準レンズである焦点距離50㎜のレンズで撮った写真①を見ていきましょう。写真はだいたい手前のクレーンハウスの対岸あたりから撮影しています。
標準レンズで撮影すると、割と見た目に近い遠近感が得られます。最初の3つのクレーンハウスを見てみると奥に行くほどクレーンハウスが小さくなっていますね。本当は3つとも同じ大きさですが、こうなる事で適度な遠近感を感じることが出来ます。
さらに一番奥に写っているケルン大聖堂を見てみましょう。ケルン大聖堂までの実際の距離は1キロメートルぐらいですが、適度に遠近感が付いたために遠くにあるケルン大聖堂が小さく写っています。
中望遠レンズで撮影した場合

今度は中望遠レンズである焦点距離105㎜のレンズで撮影した写真②を見てみましょう。こちらの写真はクレーンハウスから約一キロ離れたところから撮影しています。
中望遠レンズや望遠レンズで撮影すると、遠くのものが近くに引き寄せられたような印象になります。ケルン大聖堂を見比べてみるとその違いは一目瞭然ですね。標準レンズで撮影したものと比べてケルン大聖堂が近くにもっと大きく写っています。実際には撮影ポイントから2キロも離れていますが、より近くにあるような印象を与えますね。
また3つのクレーンハウスの距離感を見てみましょう。標準レンズで撮影した写真①と比べて、3つの建物の間隔がずっと狭くなっていますね。
このように中望遠や望遠レンズで撮影すると、遠くの物を大きく写すことができ、その結果近くの建物との大きさの差がなくなって、遠近感が弱くなったように感じられます。また建物一つ一つの間隔が狭くなった事で、密集感が増しています。
これがいわゆる圧縮効果というやつですね。
- 遠くの被写体を近くに引き寄せ、大きく写すことができる。
- その代わり遠近感が失われる。
- 密集感が増す
ケルン大聖堂の存在感を強調したければ圧縮効果を利用した撮影を!
今回のようにクレーンハウスとケルン大聖堂の両方を撮影する場合、遠くから離れて望遠レンズ(以下中望遠レンズをむ)で撮影すると圧縮効果が効いて、遠くにあるケルン大聖堂を大きく写すことが出来ます。

なのでケルン大聖堂の存在をより強調したければ、圧縮効果が効く望遠レンズを使用する事で、自分の意図に合った表現をすることが可能となります!

一方クレーンハウスの近くから標準レンズで撮影すると、奥のケルン大聖堂の存在感は小さくなってしまいますが、その分クレーンハウスを主題とした、遠近感を活かした写真を撮る事ができます。
おわりに
今回は2枚の写真を比較して、望遠レンズの圧縮効果とはどんなものか簡単に見比べてみました。同じ景色でも使用するレンズによって違った表現ができるようになるので、面白いですね。
私は都市撮影において望遠レンズを使用するようになったのは最近の事なのでまだいろいろと挑戦中ですが、今度は望遠レンズでのパノラマ写真にも挑戦してみたいと思います!