こんにちは。ついこの間までアパートの前の庭に沢山タンポポが咲いていましたが、綿毛になりましたので、前から一度撮影したいと思っていた「綿毛としずく」の写真撮影に挑戦してみました!
今回はその撮影の様子とコツ、それから反省点などを紹介したいと思います!
目次
今回の撮影に用意した物
まずは今回の撮影に用意した物から見ていきましょう!
- タンポポの綿毛
- 注射器(水滴作り用)
- 霧吹き(水滴作り用)
- 黒のアクリル板(背景用)
- クリップアーム
- LEDデスクライト
- シリコン製の耳栓
- 万年筆のインク
- カメラ3点セット(カメラ+レンズ+三脚)
まずは庭に行ってタンポポの綿毛を切り取ってきました。綿毛はこの時期にしかありませんので、多めにとっておいて保存しておくと後後遊べるかもしれませんので試してみようと思います。
それから水滴を作るために注射器と霧吹きを用意しました。またタンポポの綿毛を固定するためにクリップアームを用意しました。これははんだ付けなどの作業に使用するものですが、マクロ撮影では本当に大活躍するのでお勧めですよ!私は2台持っています。
後は背景として黒のアクリル板、それから照明として今回は普段使っているLEDデスクライトを用意しました。私が使用しているLEDデスクライトは色温度が変更できる上に、光の量も調整可能なので、意外と撮影でも使えます!
また撮影の途中からタンポポの綿毛を簡単に固定するためにシリコン製の耳栓を追加しました。それからしずくに色を付けるために万年筆のインクも追加しました。
後はいつものカメラ3点セットですね。私は今回もニコンのD750 +Micro Nikkor 105mm f2.8Gで撮影に臨みました!
セッティング

ではセッティングの様子を見ていきましょう。今回はデスクの上に簡単にセッティングしました。簡単にセッティングする事のメリットは、片づけも簡単になるという事です!なので私はできるだけその場にあるものを使って撮影しています。
まずは上の図にあるようにカメラの前にクリップアームに固定した綿毛を設置し、その後ろにLEDのデスクライト、そしてさらにその後ろに背景用に黒のアクリル板を立て掛けています。
今回のセッティングはこれで終了です。本当に簡単ですね。
なお今回はたまたま近くにあったアクリル板を使用しましたが、アクリル板である必要はまったくありません。黒い紙など別なものでも代用可能です。

実際の写真はこんな感じになります。
では撮影に!
では今回撮影した様子を見ていきましょう。
①クリップアームで綿毛を挟む!
まず最初に行ったのがクリップアームで綿毛を挟む作業です。私は細かい作業があんまり得意ではないので、これには結構苦労しました。できれば複数の綿毛を挟みたいところでしたが、どう頑張っても2つの綿毛を挟むのでせい一杯。
綿毛を挟んだ後で、しずくを作るためにクリップアームを逆さまにして綿毛に霧吹きで水をかけていきます。逆さまにしたのは上からかけたら霧吹きの勢いで綿毛の形が簡単に崩れてしまったためです。(しずくを作るコツはこの記事の下の方でまとめようと思います。)ちなみに注射器で綿毛の中央に水滴を作ろうともしましたが、綿毛が小さすぎたためにうまく行きませんでした。大きなタンポポの綿毛であれば成功するかもしれません。
とりあえずまずは手始めにそれで写真を撮影してみます。

綿毛が2本だけしかないので、ちょっと背景の無駄なスペースが多すぎますね。ただイメージとしては悪くないです。
②背景を変えてみる
ここで本格的に撮影に入る前に背景を変えてみます。まずは背景に緑色の辞書を置いてみました。

これだと何となく外で撮ったようにも見えなくもないですね。ただあんまりこの緑が好みの色ではなかったために今度は背景をピンクに変えてみます。

とりあえず部屋にあったピンク色が表紙の本を後ろにおいてみましたが、まあこれも何かに使えそうですね。この他にも背景に白い紙を置いてテストしてみましたが、背景が白や薄い色になると綿毛があんまり目立たなくなる事に気が付きました。
結局のところ、この後でしずくに色を付けてみようと思っていたので、今回はその色を強調させるためにも背景を黒で撮影する事に決めました。
③綿毛を固定するためにシリコンの耳栓を利用してみる!
この後、なんとかしてクリップに綿毛を数本挟もうと格闘するのですが、なかなかうまく行きません。そこで思いついたのがシリコン製の耳栓を利用する事です!このシリコン製の耳栓を小さくちぎって、そこにタンポポの綿毛を一本一本植え付けていきます!そしてシリコン事クリップアームで挟みます!

これは練習すれば、いろいろな形に綿毛を植え込むことが可能となるので、いろいろと可能性が広がりそうですね。
でも今回は色を付けたしずくがうまく綿毛に乗せられるかどうかという方が重要だったので、シンプルに行くことに決めました。まずはシリコンに綿毛を4本植えこんで撮影してみます!
④綿毛4本+青色しずくで撮影
まずはしずくを青くするために、万年筆のインクを水に数的垂らして青い水を用意しました。その水を綿毛に吹きかけていきます。

ためしに撮影してみました。結構良い感じになりましたね。ちょっとしずくの色が薄すぎたのと、しずくの量が少ないので、その二点を修正してみます。

前よりも盛大に霧吹きで青い水をかけていきます。ちなみにこの時使用したインクの色はトルコブルーになります。私が使用した霧吹きはレバー式ではなくてプッシュ式だったために、プッシュするたびにインク水が漏れて手が真っ青になりました・・。

それはさておき、このしずく、時間と共にどんどん下に流れて行ってしまいます。なのでテンポよく撮影しないと綿毛に乗っかっているしずくがどんどん減ってしまいます。
そのためしずくが減るたびに霧吹きでしずくを追加するという事を繰り返していきましたが、なんと霧吹きを繰り返すと綿毛がいつのまにかこんな状態になってしまいました・・・・。

撮影している瞬間はしずくの形に目を奪われていて気が付きませんでしたが、いつのまにか綿毛がススキみたいになってしまいました・・。
どうやら綿毛が霧吹きに耐えられる回数は限られているみたいですね。霧吹き3回ぐらいでベストショットを撮らないと綿毛の形がどんどん悪くなってしまうみたいです。ただその3回で思い通りのしずくが作れるかどうか、ここが難しい所あります!
綿毛を植えなおして撮影
少しコツを掴んできたので、ここで綿毛をもう一度シリコンに植えなおして撮影に挑みます!またインクの色をトルコブルーからグリーンに変えてみました。

ちょっとインクの色が薄すぎましたが、やっぱり最初のショットは綿毛が最も開いてきれいです。後はできるだけ早く理想的なしずくの形に持っていくかという事だけですね。

中央の綿毛の下にうまくしずくを作る事に成功しましたので、そこだけにピントを当てて撮影しました。この時はF8まで絞って撮影しましたが、それでも被写体との距離が30㎝ぐらいしかないので、被写界深度は浅いですね。
さらに霧吹きで水の量を追加してできたのがこのしずくになります。しずくが綿毛から徐々に下に落ちて行っているんですが、その時の様子も写すことが出来ました。できるだけ全体にピントを合わせるためにF57まで絞りました。
繰り返しになりますが、しずくを作るために水の量(霧吹きの回数)を増やすと、綿毛のふわふわ感がどんどん失われていくので、そのバランスが難しい所ですね。
とりあえずしずくが良い感じに撮れたので、今回はこれにて終了です!
しずくの作り方!
今回しずくを作る上で注意した点をまとめてみます。
まず大事なのが、霧吹きを使う前に綿毛をクリップアームにセッティングして構図を決めておくことです。綿毛に乗ったしずくは重力でどんどん下に流れてしまいますので、しずくを作ったらすぐに撮影に移れるようにしておいた方が良いです。この順番が逆になると構図やピントが決まったころにはしずくが少なくなってしまいます。
セッティングがきまったらクリップアームの角度を固定して、さらにクリップアームの位置にしるしをつけておきます!こうする事で、しずくを作った後で素早く撮影に入る事が出来ますね。
では肝心のしずく作りですが、今回はインクを使いましたので、洗面所でその作業を行いました。大事なのは、角度を固定したクリップアームを逆さまにして霧吹きをかけることです。逆にするとしずくの重さと霧吹きの勢いで綿毛がぺったんこになってしまいます。
そして次に重要なのが、できるだけ綿毛との距離を離して霧吹きする事です。あまり近いところから霧吹きをかけると、その勢いで綿毛がシリコンの土台から抜けてしまいます。また綿毛の形も崩れてしまいます。私は50㎝ぐらい話して上から下に向かって霧吹きをかけました。
大きなしずくを作るにはそれだけ沢山の水を霧吹きでかける必要があります。繰り返しになりますが、やりすぎると綿毛がきれいではなくなってしまうのでバランスが難しい所ですね。
- 霧吹きをかける前に綿毛をセットして構図を決めておく!
- アームを逆さまにして霧吹きをかける!
- 綿毛との距離を十分にとって霧吹きをかける!
- 霧吹きをかける量(回数)を増やすと大きなしずくができる!
おわりに!反省点と課題は?
今回はコツを掴んでで終わりといった感じですが、しずくを作ってからの撮影のテンポを掴むのが得に難しかったですね。時間をかけすぎるとしずくはどんどん減ってしまいます(落下してしまう・・)。だからと言って減るたびに霧吹きを何度も使用すると綿毛の質感が失われてしまいます。ここは構図決めなど事前に準備できるところはしておく必要がありますね。
今後の課題としては、綿毛を違った並べ方で撮影してみることが一つですね。今回は横一列でしか撮影しませんでしたが、2列ぐらいに並べることで、ピントの合った部分とボケをうまく使った写真が撮れそうです。
もう一つは背景の色とインクの色を工夫する事です。せっかく青系のインクを使ったので、背景をブルーにしてみるのも面白いかと思います。これ以外にも紫やオレンジのしずくを作る事でさらなるバリエーションが出来そうですね。
まだ綿毛が十分にありますから、すぐにもう一度撮影してみたいと思います!