先週末と今週末にかけて、西ドイツのエッセンにある世界遺産、ツォル・フェアアイン炭鉱業遺産を撮影してきましたので、その撮影スポットやぜひとも撮影したい建物などについて紹介します!
目次
世界遺産ツォル・フェアアイン炭鉱遺産について
たしか中学生の頃だったか、社会の授業で西ドイツにあるルール工業地帯という言葉を習った記憶がありますが、そのルール工業地帯のまさに中心にあるのがこのエッセンの炭鉱遺産です。戦前、戦後にかけて炭鉱業でドイツの経済成長に凄く大きな意味をもたらしたという事で、ドイツ人にとっては非常に重要な場所とされています。
この炭鉱はもう現在では閉鎖されていますが、その歴史的な意味合い、さらに建築的な美しさから2001年以来世界遺産として登録され、現在は博物館として多くの観光客でにぎわっています。
今回はこの炭鉱遺産を撮影してきました!
ツォル・フェアアインへのアクセス
公共交通機関でのアクセス
エッセン中央駅からトラム107番に乗ってツォル・フェアアイン(Zoll Verein)停留所下車。もしくは、トラム107番、バス183番、Sバーン2でツォル・フェアアイン北( Zollverein-Nord )で下車。
車でのアクセス
目的地をエッセンのフリッツ・シュッペ・アッレー( Fritz-Schupp-Allee )に設定。
いざ撮影に!
ツォル・フェアアイン・コークス工場
私が最初に向かったのは、コークス工場。ここでは本当に巨大な工場跡を見ることが出来ます。特にコークス工場のレストラン前の撮影ポイントからは運が良ければきれいなリフレクションの写真を撮る事が出来ます。
そこで日が沈んだ直後に撮影したのがこの写真。

コークス工場ですが、ここでは多くの煙突やらパイプやらを見ることが出来ます。ここは水路になっているのですが、この季節は残念ながら水があんまりありませんでした。
超広角レンズを使って撮影するイメージで行ったのですが、そうすると手前が乾いた水路でいっぱいになってしまうので、水面が最大になるようにして30㎜で切り取りました。事前のイメージと実際の現場が異なっていた場合、そこからいかにしてベストを引き出すかが最近の課題です。
※2回目に訪れた際には、ここに柵が建てられており、撮影できませんでした・・。

こちらは2度目に訪れた時に別な場所から撮影してみました。ものすごく巨大な工場を20㎜単焦点レンズで下から少し煽るようにして撮影しました。観覧車みたいなものは今では当然動いていませんが、当時はこれが物を運んでいたんでしょうね。この場所は薄暗い赤い光でライトアップされており、不気味な雰囲気があります・・・。この写真では右上の雲がムンクの叫びっぽくで不気味さが強調されたところが気に入っています。
ツォル・フェアアイン採掘抗
次に向かったのはツォル・フェアアインの採掘抗の方です。こちらにはいくつもの博物館がありますので、昼間観光するならこちらからの方がメインになるかと思います。

まずはスタンダードな一枚。ツォル・フェアアインを正面から撮影しました。まず目に入るのがこの巨大な鉄の塊ですね。ドイツ語ではツェッヒェ(Zeche)と呼ばれており、日本語だと 立坑櫓 というようですね。巨大な滑車に極太のワイヤーが付いています。これで掘り出した石炭を地上に引き上げるんだと想像します。

これらの建物は1930年にバウハウス建築様式で建てられており、建築やデザインの世界でも重要な意味を持つ建物のようですね。このアングルを含め、この炭鉱は世界で最も美しい炭鉱と呼ばれているようです。建物は鉄の柱と煉瓦でできています。
ちなみにこの奥の建物はレッド・ドッド・デザイン・ミュージアムと呼ばれるデザイン博物館になっています。この写真だと一見繋がっているように見えますが、手前の二つの建物は独立しています。

おそらく物を上に運ぶために建てられたんでしょうが、このように斜めの建築物が沢山あります。それを額縁に利用して、巨大な滑車を撮影してみました。最近は水平にとらわれないアングル探しを覚えたところで、いろいろと試しているところです。
撮影ノート
- おすすめはライトアップされる夜景の撮影。赤くライトアップされていますので、ブルーアワーに撮影すると、赤と青の写真を撮る事が出来ます。
- 巨大な建物なので、近くから撮影すると下から見上げるような感じになります。どこを切り取るかで誰も見たことがないような構図を作る事ができる可能性があります。
- 敷地がかなり広いので、空が青い間にすべてを回るのは時間的に厳しいです。一番撮りたい場所から効率よく回る必要があります。
おわりに
ドイツの東に位置するザクセン州から西のノルトライン・ヴェストファーレン州に引っ越してから約一年が過ぎました。ザクセン州にいたときは美しい自然の風景ばかりを撮影しており、引っ越してからは、ここノルトライン・ヴェストファーレン州の工業地域特有のモチーフにあまり興味を持つことができませんでしたが、今回撮影してみると意外と面白かったです。ここは博物館内部もかなり興味深いところなので、観光としてもおすすめです。